世界遺産となりオーバーツーリズムが問題になっている、富士山登山について調べてみました。富士山登山往復1万円は本当でしょうか?アウトドア・登山好きの日本人でしたら一度は富士山登山を考えたことがあるのではないでしょうか?
富士山の登山シーズンは7月上旬~9月上旬までと公式に設定されていて、また登山口のルートごとに細かく日時も決められています。
その短い期間のために登山客が集中してしまいます。そのため2013年に世界遺産となってからは、インバウンドでの登山客も増え、よくニュースで行列で右往左往する登山客が映し出され話題となっています。また富士山登山往復1万円というニュースをチラ見したので少し調べました。
ここ数年の富士山の実際の登山料は?
2013年に世界遺産に登録され、2014年から任意の協力として入山料ひとり1000円の徴収が開始されました。協力率は5割〜7割程度で推移しており、山梨県では過去最高で2014年の約1億1440万円、最低は新型コロナの影響を受けた年の約3538万円でした。静岡県側もコロナ禍の2022年は約3707万円と過去2番目に低かったです。
入山料の徴収額が想定より低い場合、山梨県は県の一般財源を使い、静岡県は企業の寄付などから充当し、保全対策を進めています。
富士山登山の往復1万円は本当か?
オーバーツーリズム問題とは?
冒頭で触れたように、限られた短い期間に対してインバウンドなどで登山客の増加は「オーバーツーリズム」問題を抱えています。中国や韓国からのインバウンドも回復し、富士山観光でも訪日外国人客が増えています。
2023年現在富士山五合目までは、登山道の他に「富士スバルライン」という有料道路があります。車でも簡単に富士山から見下ろす絶景の名所まで見に行くことができます。そのため「オーバーツーリズム」状態という問題が生まれています。
世界遺産から登録が抹消されてしまう可能性も?
富士山は世界遺産登録時にユネスコの機関イコモスから「収納力を踏まえた来訪者管理の実地が必要」「自動車・バスからの排気ガスが懸念される」と指摘され対策を求められているそうです。
実際に2013年268万人だった富士山五合目来訪者が、2019年には506万人と増加しまくっています。
それに対して山梨県が発表した計画のひとつが「富士山登山鉄道構想」です。
富士山登山鉄道構想とは?
富士スバルラインの有料道路としての運用を廃止し、次世代型路面電車システム「LRT」を道路上に敷説し「登山鉄道」として観光客の数を制限し、環境にかかる負担を軽減させようという構想です。
LRTとは2023年宇都宮市で導入され話題となった、電気モーターで駆動し二酸化炭素を出さずに環境に優しいとして注目されている交通手段です。
その山梨県が発表した富士山登山鉄道構想の資料に、LRTの往復運賃1万円・利用者300万人と試算されています。徒歩での登山の入山料ではなかったので安心しました。
今後の徒歩での登山入山料は?
2023年現在は任意で一人1000円と設定されていますが、2024年夏までに一定の方向性で定めると明らかにしています。
富士山の入山料はこれまでも義務化が検討されましたが、登山者全員を確実に把握できるのかといった課題や、徴収のための費用負担がかかるという問題もありました。
今後は登山者や山小屋の関係者などと協議を進め、料金設定や効果的な徴収方法を検討しています。
静岡県の川勝知事は、「義務化するのが義務だと思っている。コロナも収まり中国の観光客の来日も増えていくので、本腰を入れて方向性を出さねばならない」としています。
まとめ
- 徒歩での登山の入山料は任意でひとり1000円
- 富士山のオーバーツーリズムが問題とされている
- オーバーツーリズムの対策にLRTの導入を構想中
- LRTの往復運賃が1万円と試算されている
- 2024年夏以降は「任意でひとり1000円」ではない料金設定に変更されるかも
簡単にまとめてみましたが、1億何千万円とか利用者500万人といった大きな数字が出てくるので、今後の難しい問題が山積みなのが理解できました。
子供が生まれたのをきっかけに、富士山登山を意識し始めたのですが、今回調べただけでも三合くらい登った気になっています。笑